武蔵野美術大学 旅するムサビプロジェクト

1/26から2/1に行われた北海道中札内村での旅ムサの報告です。

今回は中札内村の小学校と中学校、3校を巡りワークショップや部活動指導などを行いました。

1日目（1/26）

前日の25日に北海道入りしましたが、帯広では久しぶりの雪の日だったようです。見えるもの全てが白くて新鮮でした。初日の26日はお世話になる学校への挨拶や道具の準備、動きの確認などを行いました。その後、みんなで帯広名物のインディアンカレーを食べに行きました🍛

2日目（1/27）

1番最初のプロジェクトは上札内小学校での活動から始まりました。上札内小学校70周年を記念して、運動会で使う横断幕を児童の皆さんと協力し、制作しました。

あらかじめ学生側で横断幕のデザインや下書きなどを終わらせた状態で持っていき、現地で絵の具を使って色塗りをしました。

子どもたちの手際が良く、あっという間に完成しました。完成した横断幕は運動会当日まで秘密です。運動会が終わった後、学校のホームページで公開されるとのことなのでどうぞお楽しみに！

続いて、午後から中札内中学校の文化部で持ち込みのワークショップを行いました。節分が近いということで、鬼のお面を作ります。こちらは4日間にわたって行う計画で、初日はお面のイメージを膨らまし、スケッチをしました。最初に自己紹介も兼ねて、美術大学とは何か、武蔵野美術大学はどんな大学なのかを軽く説明しました。

学生が作った見本を見ながら相談し、どんなお面が作りたいかを決めていきます。ラフスケッチをして、終わった人から粘土付けを始めていきます。
3日目（1/28）午前中は中札内小学校で対話鑑賞と、中札内村のゆるキャラであるぴーたんの巨大バルーンに絵を描いてもらいました。
まずは対話鑑賞からスタートです。こちらはプログラミングを活用した作品たくさんの写真で構成された画面に自分達がリアルタイムで映ります。珍しい作品に子どもたちも興味津々でした。
続いてはぴーたんバルーンに絵を描いていくワークショップです。こちらは2日間に分けて行いました。ぴーたんは中札内村のゆるキャラで、街を歩くと看板やグッズなど、あちこちでぴーたんを見かけます。初めの説明の時に、このバルーンは何でしょうか？と質問すると、膨らませていないのに「ぴーたんだ！」とみんな答えたのでとても驚きました。せっかくなら中札内にちなんだバルーンを作りたいということで考案し、事前に大学でバルーンを制作しました。カラービニール袋を並べて、接着していくと作ることができます。子どもたちにはぴーたんバルーンに絵を描いてもらい、さらに華やかにしてもらいました。バルーンの色ごとにテーマを設け、それに合わせて自由に描けるようにしています。描き終わったらみんなでどんな絵を描いたのか、見ながら意見交換をしました。バルーンの周りをぐるぐる回りながら、気になるものや好きなものについての話で盛り上がりました。
部活動では、お面のラフが決まった人からどんどん粘土付けをしていきます。ここでは彫刻科の学生が中心となって、骨格や筋肉など、顔の立体感の出し方についてのレクチャーも行いました。
4日目（1/29）前日に引き続き、対話鑑賞とバルーンの反対側も描いてもらいました。　近くから見たり、遠くから見たり、鑑賞方法は自由です。

ぴーたんも描いてくれました。

5日目（1/30）

ぴーたんを学校の入り口に配置するため、この日は5年生と周りを飾りつける用の旗を制作しました。

その後ぴーたんの中に入って遊びました。このぴーたんバルーン、なんと大きさ3m近くあります。5.6人で入っても大丈夫なように、できるだけ大きめに作りました。

ぴーたんの中から見ると、みんなの描いた絵がプラネタリウムみたいでとても綺麗です。子どもたちも中で大はしゃぎでした。

夕方からは中学校へ。お面作りもいよいよ大詰めです。

色塗りを進めていきます。

どんどん怖いお面ができてきましたね。

6日目（1/31）

いよいよ旅ムサの活動最終日です。この日は朝から小学校に行って、設置したぴーたんをお披露目しました。制作に参加していない学年の児童はバルーンの存在を知らないので、サプライズです。

階段の踊り場に旗も飾りつけました。

8時を過ぎると、続々と子どもたちが登校してきました。みんなぴーたんだ！と喜んでいます。

子どもたちが喜んでいる姿を見ると、作った甲斐があったなと実感しますね！先生が見ている時間ならば、中に入って遊べるようにしていただきました。

この日は部活動まで時間が空いていたので、担当の氏家さんが然別湖コタンへ連れていってくれました。

雪山を登っていくと、目の前に一面の銀世界が広がります。この日はいつもよりは暖かい日だったそうですが、それでもすごく寒かったです。とても素敵な空間でした。

夕方からは中学校の部活動へ。

短い期間でしたが、無事お面が完成しました。

今日は新聞紙で鬼の衣装を作ります。その後、鬼役と豆まき役に分かれ、豆まき大会を行いました。

豆まきで盛り上がった後、会場は美術室から職員室へ移動。

先生方にも豆まき兼お披露目をしに、生徒みんなで大移動です。とても楽しそうな声が響いてきました。豆まき大会が終わった後はみんなで片付けをして、無事終了です。

この日の夜は上札内小学校で冬ほたるという行事があったので、学生もお邪魔させていただきました。

おしるこを食べたり、そりすべりをしたり、みんな思い思いに楽しんでいる様子。

冬の北海道の学校は校庭がスケートリンクになっていることが多いです。今回はなんと校庭で「みかんカーリング」を行いました。

ルールは簡単。カーリングのようにみんなでみかんを滑らせ、1番真ん中に近い人が勝ちというゲームです。

大人から子どもまで関係なく、全員参加のゲームでした。とても楽しかったです。

最終日ということで、今回のリーダーである濱松さんが代表して、中札内での旅ムサについての感想とお礼を述べてくれました。中札内村の皆様が温かく迎え入れてくれたことで、とても貴重な経験をすることができました。ありがとうございました。

以上、旅ムサ中札内の報告となります。

1週間という長期間のプロジェクトで、ここには書ききれないくらいさまざまなことを経験しました。準備期間から本番まで、楽しかったことだけでなく、失敗したこともたくさんありました。ですが長期間だからこそ、1日の活動が終わった後に学生同士で意見交換し、良かった点や失敗した点などを話し合うことができました。「今日は進め方があまり良くなかったから、明日はここを改善してやろう」という風に、より良い活動になるよう毎日試行錯誤した1週間でした。ここで経験した全てが忘れられないくらい、とても濃密で楽しいプロジェクトになりました。

1週間ずっと活動の補助をしてくださった氏家さん、小学校中学校の皆様、中札内村の皆様、本当にありがとうございました。（西谷）

旅するムサビ　奄美大島　4日目〜6日目の投稿です。

4日目、5日目は崎原小中学校で壁画の制作です。

今回制作する壁画は、奄美大島に生息する天然記念物’ルリカケス’の大きく描いたものです。

〜4日目〜

まず、午前中に旅ムサメンバーで下絵を描きました！

ルリカケスが学校の隣の木から顔を出してくれ、テンションが上がりましたね。

これで、崎原の人たちと制作ができます。準備も万全ですね！

でも、メンバーと「カラフルなインコに見えるね、、」と話したり。

どんな、ルリカケスが完成するのかは明日のお楽しみです！

午前中の下絵制作も終わり午後は龍郷方面へ観光へ行きました。

奄美大島紬村では、大島紬ができる過程を解説と実演を交えながら知ることができました。糸を図案通りに締め泥田で染め、その糸を織り込んでいく方法には感嘆してしまい、文化の継承問題についても考えることができました。

その後は、「海を見たい！」ということでハートロックへ！

砂で埋もれており綺麗なハート型を見ることはできませんでしたが、浜辺で奄美の海を楽しむことができました。

〜5日目〜

ついに今日は、壁画制作の本番です！

崎原小中学校の生徒さんはもちろん、先生方、親御さん、地域の方まで全員参加で制作しました。

下絵の色がオレンジの場所は寒色系、緑色は暖色系の色で紫色はどこでも押して大丈夫です。下絵の色を埋めるぐらい手形を押してもらいます！

どんどん手形が押されていきますね〜どんなルリカケスになるのでしょうか？

色を混ぜたり、親指だけ違う色で押してみたり、みなさんどんどん工夫していきます

天候も危ぶまれましたがついに崎原の方々と作ったオンリーワンのルリカケスが誕生しました！みなさんがたくさん手形を押してくれたおかげで午前中には制作を終えることができました。ご参加ありがとうございます！

〜6日目〜

今日で崎原ともお別れです。地域の方と挨拶をし午前中には次の活動場所の名瀬小学校へ向かいました。

6日目は名瀬小学校では黒板アートを2枚制作し、7日目は黒板アートのお披露目と対話鑑賞でした。黒板アートは2チームに分かれ制作しました。

・1チーム目

ルリカケスが奄美大島の大空を飛んでいる絵です。卒業生のフロアだったこともあり、未来へ羽ばたいていく姿をルリカケスに重ね、新しい門出を心からお祝いする気持ちで制作しました。

・2チーム目

奄美の文化や自然を中心に、奄美の人々を描いた黒板アートになります。

大島紬村で学んだ模様の意味を汲み取り絵の中に落とし込んでいます。また、実際にヒカゲヒゴを見たことでより制作にいかすことができました！

明日のお披露目でどんな反応を見せてくれるのか、とても楽しみです。
文：渡邊悠月
メンバー：渡邊悠月（油2年）, 財家佳希（油2年）, 國重愛未（油2年）, 坂本佳乃子（彫2年）　林莉緒（油2年）, 鯉江美咲（工デ1年), 尾鼻真奈美（工デ1年）, 乙部愛子（油1年）淵田紗葵（日3年）, 塚本悠斗（油3年）, 茂木菜々（工デ４年）

ここからは２日目。いよいよお披露目の日がやって来ました。例年は、児童たちは、校庭で待機しているようですが、この日は生憎の雨のため、校内で待っていたようです。

学年・クラスごとに分かれて5年生→１年生の順番で黒板アートを見に来てくれました。私たち作者も後ろからこっそり様子を伺っていました。子どもたちの素直で新鮮な反応を見ることができました。

別の教室へ移動して、6年生の子どもたちと担任の先生の前でお話する機会がありました。担任の先生方に私たちを紹介して頂いたあとに、黒板アートに込めた思い、制作の裏側のお話などを全体の前でしました。子どもたちは真剣な顔つきで聞いてくれました。

教室に戻って改めて、黒板の前でお披露目会。ここでは、質問に答えたり、児童や担任の先生とお話したりしました。「何色のチョークを使っているんですか？」「なんでここに〇〇があるんですか？」という質問にはじめ、「美大生の今後の進路、美大に入ろうと思ったきっかけ」など黒板ジャックのことだけではなく、私たちについても興味を持ってくれました。少し緊張していましたが、子どもたちが温かく迎え入れてくれて安心しましたし、交流を深められて良かったです。

そして、黒板ジャックを背景に、写真撮影をしました。２組は恒例の変顔でパシャリ（残念ながら、お顔はお見せできませんが…）。なんと、私たちも一緒に卒業文集に載せてもらえるそうです！

最後に生徒たちに黒板を消してもらいました。「もったいなーーーい」という声があちこちから聞こえて来ました。名残惜しさもありますが、消すまでがセットの黒板ジャック。有限であるからこその趣もありますね。また来年、この教室で、新しいメンバーで黒板ジャックが生まれることを楽しみにしています。

　

今回黒板ジャックは、2025年の3月2日と３日の２日間にわたって、立川市幸小学校にて開催されました。武蔵野美術大学の学生2名で参加させていただきました。3月２日に黒板アートの制作、3月３日に児童・先生方にお披露目をしました。

まずは、1日目の黒板アートの制作について紹介します。

今回の黒板ジャックは6年１組と２組の教室を一人ずつ担当しました。朝9時〜19時半の間で制作しました。2人とも黒板アートは初めてでした。

6年１組の黒板ジャックでは、小学校から自分の道へ飛び立って欲しいという気持ちを込めてペガサスと教室の風景と校庭の風景を描かせていただきました。普段の絵を描くのとは違い、影を塗らないところに苦戦をしましたが、気持ちを込めて描かせていただきました。

6年２組の黒板ジャックでは、海を泳ぐだけではなく、街や空まで場所にとらわれすに羽ばたいて欲しいという意味を込めてクジラを描かせていただきました。一年生の時にくじらぐもの劇をやっていたそうで、6年生の自分たちを祝福して、物語が続いて欲しい意味も込めて描かせていただきました。

茨城県にある東海南中学校で卒業生に向けて黒板ジャックを行いました！

茨城大生5名、武蔵美生3名合計8名が中心となり、東海南中学校の総合文化部の生徒たちと協力しながら取り組みました。

3月2日

作品制作日当日！

朝、ホテルを出て東海駅で茨城大の方や、東海村文化・スポーツ振興財団の方と合流。

そこから車で東海南中学校に向かい、学校の広さと綺麗さに驚かされながら、学校の先生方や総合文化部の生徒さんたちと挨拶をしつつ、９時ごろから制作を始めました。

11時までの間、東海南中学校の総合文化部の生徒さんたちとこんな風におしゃべりもしながら描いていました。

みんなそれぞれ楽しみつつ、ここはこうしたらいいんじゃないかと工夫しながら真剣に絵と向き合っている姿が印象的でした。

さて、いよいよ11時になり、総合文化部の生徒さんたちは帰ります。

ここからは一人で完成までもっていかなければならないっ！

目の前の進捗状況に焦りを感じながらひたすら描き続けること約１時間。

気づいたらお昼ご飯の時間になっていました。

お昼はお弁当で、なんとそれだけでなくお菓子なども用意してくださりました！！

美　味　し　か　っ　た　！

この後、アイスの差し入れなどもあったんですが、とにかくこの町の人たちは優しかった！

このようにして東海村の方々から元気をもらい、この後17時ごろまで（←制作終了時刻ギリギリです）ひたすら描いて描いて描きまくりました！

・・・ついに迎えた完成。

皆、花やクジラなど様々なテイストで描いており、作品を通して明るく賑やかな雰囲気に学校が包まれました。

下が制作した作品と作者のコメントになります。

油絵学科油絵専攻１年　千頭有里紗

◎感想

「すごく楽しかった！いつもは油絵をキャンバスに描いていて、黒板に描いている時の感覚はキャンバスに描く時と似てたんですが、それでも黒板に描くのは初めてのことだったので難しかったです。」

◎作品について

「色重ねているので、遠くから見ると普通の肌の色に見えるんですが、近くで見るといろんな色が混じり合っているのでぜひここに注目していただきたいです。他にも、瞳の色こだわっていて、これから前を見てまっすぐ進んで行って欲しいな、と思いながら描きました。」

芸術文化学科１年　大門愛実

◎感想

「中学校の生徒の子とお話ししながら制作できたのが凄く楽しかったです！午前中が生徒の子たちとの共同制作の時間だったのですが、午後1人になってから急に心細くなってしまって生徒さんたちの存在がとても偉大だったなと気がつきました…✨」

◎作品について

「卒業する3年生の生徒さんたちへお祝いの気持ちを込めて花束を描きました。構図は特にこだわりながら考えたところです！時間の制限がある中で最大限に迫力が出せるように何度も試行錯誤しました。リボンの形とハイライトもお気に入りのポイントです。」

クリエイティブイノベーション学科１年　城天力

◎感想

「これまで中学生の子どもたちと一緒に制作したことがなかったので新鮮な体験をさせていただきました！本当に楽しかった！東海村の方々も皆、優しい方ばかりで本当にみんなに支えられながら描いているのを実感しましたね〜。」

◎作品について

「赤、青、黄、白などのチョークを何度も重ねながら可愛らしいカラフルな質感を表現しました。クジラが舞い上がってると思うんですが、このクジラのように卒業する生徒さんたちが躍進していけますようにという願いを込めながら制作しました。」

3月3日

作品発表当日！

「喜んでもらえるかな？」「うまくやれるかな？」とドキドキしながら迎えた作品を発表日。

朝、登校の時間になって３年生の生徒たちが教室に入ってくる。次の瞬間、「すご〜い」や「かわいい」といった声が聞こえてきて、安堵するとともにこの作品を描いて良かった、と救われた気持ちになりました。

その後は交流会の時間が少しあり、「この絵はどのくらいの時間をかけて描いたの？」であったり、「チョークなん本くらい使って描いたの？」といったお話をしました。

3月3日

作品発表後！

さてさて、無事に黒板ジャックを終えたムサビ生一行は帰る前にアクアワールド茨城県大洗水族館に立ち寄ることにしました。

この水族館はサメの飼育に力を入れていて、日本一サメがいる水族館だそうです。

実際、いろんな種類のサメがいてサメってこんなにいろんな種類がいるんだと勉強になりました。

水族館を出てると、次は那珂湊に行ってみんなで海鮮丼を食べました。

お魚が甘味を感じるくらい新鮮でぷりぷりしていて美味しかったです。

こうして、茨城も満喫できたところで、一行は帰路につきました。

今回の旅ムサを通して素敵な方々と出会って、交流したり、茨城の風土に触れることができました。

また、そこから何か、自分の創作の支えのようなものも得られました。

本当に貴重な体験でした。

今回の旅ムサに関わっていただいた中学校の皆さん、職員の皆様、先生方、本当にありがとうございました！

☆参加メンバー☆

リーダー　 油絵学科１年　千頭有里紗

　　　　　 芸術文化学科１年　大門愛実

　　　　　 クリエイティブイノベーション学科１年　城天力