3/8 旅ムサ奄美 崎原小学校
黒板ジャックも無事完成!
崎原小中学校の子どもたちと関わり一緒に壁画制作をしていく中で、学年を超えた自由な関わり合いというものを目の当たりにし、自分にはなかった新たな学校の姿を知ることができてとても勉強になりました。小学生と中学生が普段から同じ学校で生活しているということ自体が新鮮で、さまざまな年齢の子どもたちがのびのびと過ごしている姿を見て、学校に対する視野がさらに広がったように思います。また滞在中に崎原小中学校の皆様だけでなく、集落の皆様にもとても気に掛けていただいて、学校と地域が密接に繋がっているように感じました。規模が大きい学校だからこそできることもありますが、崎原小中学校のように小規模だからこそ教員が子どもたち1人1人にしっかりと向き合っていくことができるのだと思います。奄美大島という、遠く離れた場所で経験したこと全てが驚きの連続で、とても楽しかったです。私たちが壁画を描いていると子どもたちが寄ってきて「自分も壁に絵を描きたい!」と自ら筆を持ったり、大学生を巻き込んで全力で遊び回ったり、子どもたちのエネルギーを実感した4日間でした。(西谷)
今回の崎原小中学校での壁画、黒板アート制作は本来であれば、昨年の夏に行われる予定でしたが、台風で中止になってしまい、私自身不完全燃焼のまま冬を過ごしていたのですが、新たに今年の2月にやると言うお声がけを頂いた時、とても嬉しく、昨年よりもパワーアップして挑むというような思いでした。実際に制作を行なっている中で、先生方や地域の住民の方々からの応援や支援に、この壁画制作と黒板アート制作が学校に関わる人たちだけでない、この崎原に住む人々全てに関わっているのだと感じました。壁画制作2日目には、小中学生たちにも壁画制作に参加してもらいました。その中でも、特にアカショウビンの部分は大学生たちは本物を一度も見た事がなく、描く上でだいぶ苦戦していたのですが、小学生たちが描いているところに集まってきて「羽の色は実は青色も混じっているんだよ!」「ここに小さな鼻が見えるんだよ!」と実際のアカショウビンの話を教えててもらった時に、とても嬉しく、大学生だけでは描けなかったものだと思います。また、ぜひ崎原小中学校に行ける機会があればと思います。ありがとうございました。(茂木)
私は2回目の奄美大島の崎原小中学校への訪問となります。前回は対話鑑賞を行いましたが、この学校が個々の子どもたちの個性を尊重するという学校方針のもと子どもたちがのびのびと成長している姿に触れ、とても魅力的な学校だと感じました。そのため、またこの学校での旅ムサに参加したいと強く思っていたところ、再びこの学校の旅ムサに参加することが決まり、大変嬉しく思いました。今回の旅ムサは壁画制作でしたが、その過程で地域や教職員の方々には、温かく迎えて頂き、前回に増して深い関係性を築くことができました。
壁画制作は、高さ約1.3m、長さ6.6mの大きさの塀に壁画を描いたのですが、最後に地域の方や生徒、学校関係者に手形を押してもらい完成した時、崎原の皆様と一つになれた感じがしました。今回、地域、教職員の支援や協力があったからこそスムーズに進行することができたと思います。私にとっても有意義な四日間を過ごすことができ、大変感謝しています。(林)
3/5,6 朝霞五中
2024年3月5日から2日間、朝霞市立朝霞第五中学校で対話鑑賞が行われました。
今回はムサビの学生8名に加え、東京造形大学から大学院生の下島さんが参加されました。1日目には社会福祉法人みぬま福祉会のアート・福祉施設「工房集」から作家の尾崎翔悟さんとサポーターの小嶋さんをお迎えして、充実した鑑賞活動となりました。
朝霞五中が文部科学省の調査協力校になっている関係で、平田調査官と、埼玉県総合教育センターの鈴木先生も活動をご覧になりました。
体育館の高低差を活かして設置された作品をじっくり鑑賞する生徒たち。1日目は3年生と対話鑑賞を行いました。
生徒たちは積極的に会話しながら、作品を読み解いて考えていました。とても知的なやりとりに溢れていて、楽しみながらも真剣に作品と向き合っているさまが伝わってきました。
ファシリテーターは1人の声を拾って全体に共有したり、適宜これまでに出た意見をまとめて整理したりしながら、生徒たちの鑑賞をさらに深めていきます。
ファシリテーションの後は作者からの話が聞けます。作者に気になったことを質問できる機会も。
こちらの作品は触って体感するところが肝心。尾崎さんと小嶋さんも加わって、みんなで作品を回しています。「少し重さが違う?」「こっちの方が重い…」「木の種類も違う」学生が何も言わずとも、どんどん気づいて考えを深めてくれていました。
3年生は卒業の季節、旅ムサの時間の前は体育館で式の練習をしていました。対話鑑賞の後は自由鑑賞の時間。生徒たちは気になる作品のところに行って会話しながら、鑑賞を深めていました。
1日目の集合写真です
集合写真の撮影後、美術室にてみんなで給食をいただきました。
最初の打ち合わせで、三澤先生から「生徒たちが自分の見たい作品を主体的に見に行ける自由鑑賞の時間が大切。対話鑑賞の時間はそのための見方の練習」とのアドバイスがあり、時間配分を少し変えて、自由鑑賞の時間を長めに取りました。
前日の3年生に負けず、1年生も自分たちでどんどん鑑賞を広げられる力を持っていました。ファシリテーション時の声かけで生徒たちの鑑賞がさらに深まっていくさまを見ていると、とても嬉しくなりました。
作者の話に耳を傾ける生徒たち。ファシリテーションをするとき、学生は生徒たちの視野を遮らない位置に立ちます。
2日目は美術室と図書室の2部屋に分けて鑑賞活動を行いました。1クラスを4グループに分け、各部屋で2グループずつ鑑賞を進めました。今日は狭山市南小学校の井口先生が活動をご覧になりました。
前日、3年生が回していた木のプロダクト作品。1つ1つ違う種類の木で作られています。「触ってOK」の表示がつきました。
じっくり観察しながら鑑賞し、
作者に促されて触ってみます。
富士見勝瀬中でも登場した、動物をモチーフにした作品。脚は一本だけ地面から少し浮いています。作者からそのことを聞き、目線を下げてじっくり見ていた生徒たちから「本当だ!」の声が。木彫の作品に直接触れる機会も。
こちらの大きな油彩の作品にも、直接触れる機会を作っていました。作者の話を聞いている生徒たち。
自由鑑賞の時間。「水の上を飛んでいる鳥に見える」「宇宙を飛んでいる鳥に見える」「龍が見える」「流れ星?」様々な意見が自然に飛び交いながら鑑賞が深まりました。
〈学生から〉
回数を重ねるごとにしゃべりやすくなると感じました。慣れてくると生徒に伝えたい情報も増えてきますが、生徒自身が作品を見て考える時間を大切にするために、自分が伝えたいことを伝えるのではなく、生徒の話をよく聞いてそれに対して自然な反応を返すことが重要だと感じました。素直で面白い意見を多く聞けて良かったです。
油絵学科 3年 今井 さほ
埼玉ルート最後のファシリテーションです。今回は旅ムサメンバーが多かったので、少人数のグループで対話型鑑賞を行いました。個人的にはこのくらいの規模での対話鑑賞がやりやすかったです。人数が多ければ多いほど多種多様な意見が出てくるので、面白いですが、少人数であれば、みんなで話しながら考えを深めていけるので、一人の生徒さんから「こういう見方ができる。でも〇〇さんの聞いて、ああいう見方もできる」など複数の考え方を持ち共有できるので良いなと思いました。
基礎デザイン学科 1年 勝目 愛菜
五中では前回とは異なり、意外にも生徒さんから意見の交換が自然に生まれて来たり、話をあまりふる必要がない形で鑑賞が進むこともあり、生徒さんたちは、観察力がとても鋭いと感じさせられました。
先生のアドバイスもあり、話のポイントを初めに提示しておくことで、話に軸のようなものが生まれたり、意図しない形で話が広がって面白い視点に出会うことができたりする場面もありました。
他作についてファシリテーションしていくときに、出て来た意見からさらに掘り下げた視点で見ていくことが難しく感じました。
質問を投げかける時も生徒さんの口から出た言葉をリアルタイムでポイントを掴んだりすることが難しく感じられました。
他作について話すとき、生徒さんによって刺激を受けて自分自身が面白いと思わせてもらえるフィードバックが起こることもあり、とても新鮮でした。
東京造形大学 彫刻 修士2年 下島 舞子
中学⽣が作品を⾒ながらどんどん発⾔していて、あまりの発⾔の多さに驚いた。絵を描いているという⼦も、そうじゃない⼦も、作品や絵を⾒て発⾒したり、何かを感じる⼼がとても育っているんだなと思った。1年⽣と3年⽣と関わったが、1年⽣も鑑賞をするうちにどんどん⾔葉がでてくるようになって嬉しかった。ファシリテーターをしていて楽しかったし、⾃分の絵を⾒てもらうのも、他の視点で⾃分の作品を⾒つめることができて⾯⽩かった。対話鑑賞後に、給⾷を⾷べながら現場の先⽣のお話も聞けたことで、中学校の授業や先⽣の様⼦を知ることができて、勉強になった。
生徒たちがそれぞれの視点から思い思いに対話してくれたおかげで、自分の作品に今まで気づかなかった新たな側面や、私の意図していなかった面を発見することができました。自分の作品を外部に公開したのも初めてであったため、どのような反応や感想を頂けるのか少し不安でしたが、自分が思うよりも生徒たちが会話を弾ませてくれたので、とても嬉しかったです。久しぶりの対話鑑賞だったので、最初はスムーズに進まなかったのですが、生徒たちの好奇心と自由な発想に支えられて、有意義な対話にすることができました。
クリエイティブイノベーション学科 1年 横山 響
私にとって人生2回目の旅ムサ、そしてファシリテーションであったため、生徒の表情や目線、声に出た反応等にしっかり目を向けて取り組むことができました。中学生たちはみんな私の想定をはるかに超える創造力と、対象の作品を見て得た情報と自分の経験に即して分析する力を育んでいて、作者も意図していなかったような切り口からその表現に新しい意味を見出してくれたり、 表現方法からいろんなことを汲み取れたりと、私自身もファシリテイトしながら深々と感心し、また多くの新たな視野を得ることができたと思います。
私が持参した作品は大きな紙に様々な道具を使って描いた自然発生的な墨の模様を、任意の場所で撮影しモノクロコピーし繋げたものを立体的に配置した、いわゆる「美術作品」のイメージからは一見かけ離れているようにも感じられるものですが、その抽象度の高さから作品に対して想像を巡らせることの楽しさ、また、自分が作品に寄せた想いが全て「正しい」と肯定されることの歓びの体験をしていただけたら嬉しいなと思いながら話をしました。自分の作品がそのようであるため、他の学生の作品に対して対話鑑賞のファシリテイトを行っている際も、なるべく生徒さんの意見を引き出そうと焦りすぎるのではなく、他の人の意見を聴きながら自分の中でも意見を持ち、考えるという余裕を生徒さんに持ってもらうということを、この度のファシリテーションでは強く意識できたと思います。
視覚伝達デザイン学科 1年 吉田 彩倖
今回の鑑賞では、生徒のみなさんがとても意欲的に鑑賞を深めていくさまが印象的でした。2日とも生徒同士の会話がさかんに起きていて、下島さんの作品のファシリテーターを務めた際、「痩せたオオカミ?」「ひとりぼっちのオオカミ」「食べ物がないから痩せていて、首を長くして獲物を待ってる」「難民とか、アフリカの人たちを表現してる?」「戦争で仲間がいなくなって、飢えている苦しさを表現している」など、生徒個々人の想像と思考が言葉になって響き合うさま、鑑賞が深まるさまを見て、とても驚きました。また、自分が1人の生徒の意見を拾い上げて全員に共有すると、それをきっかけに全員の鑑賞がさらに深まっていくさまが見られ、鑑賞の「主役」である生徒たちをさらに生かすファシリテーターの役割の醍醐味を感じました。
また、私が自作について説明するときに使った「生命の渦」という言葉がとても印象的だった、と発表してくれた1年生がいたこと、興味を持ってとても熱心に見てくれる生徒さんが多かったこともあり、とても嬉しい鑑賞活動になりました。いくつか至らぬ点もあったので、次の機会に向けての教訓も得ることができました。
芸術文化学科 3年 福井 幹大
(学生の感想は今後も追加を予定しています)
最後になりますが、飯田先生、尾崎さん、小嶋さん、平田さん、鈴木先生、井口先生、三澤先生、学生のみなさん、生徒のみなさん、ありがとうございました。
(執筆:福井幹大)
2024年 横浜市立西谷中学校 黒板ジャック、対話鑑賞
黒板アートでは生徒の方々の素直な反応をリアルタイムで見れて、嬉しいことや反省点がよくわかり面白かったです。
対話型鑑賞でも、たどたどしい進行をしてしまったものの西谷中3年生の皆様が楽しんだり、真剣に鑑賞したりしている様子を見れてすごくやりがいを感じました。
先生方も生徒の方々も、皆様が作品に誠実に向き合っていただいた様子を見れて嬉しかったです。
2/27.28 富士見市立勝瀬中学校
杉並区立天沼小学校ワークショップ 2024年2月10日
旅するムサビプロジェクト(通称:旅ムサ)は、武蔵野美術大学の学生が全国各地の小中学校を訪れ授業を実施する取り組みです。
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