鎌倉なんとかナーレを見に行く
<三澤レポート>
去る、12月5日(土)横浜国立大学附属鎌倉小学校に『鎌倉なんとかナーレ』を見に行きました。
附属小学校は、鶴岡八幡宮に接している、ということは鎌倉近代美術館とも接している一当地。ところが、ここにこの附属小の課題がありました。
3年3組『冬の花』校舎裏の竹藪の中に設置。
この企画を中心になって動かしてきた高松先生によると、もともと、国立大附属小学校ということで、地域との交流が全くなかったそうです。「ああ、鎌倉小ねぇ〜」と地域の人にも言われてしまうように、地域の人にとっても、まるで「飛び地」のような感覚があるのだそうです。
そこで、今回、アートを通して地域の方にも附属小を知ってもらおうと、アートプロジェクトで学校公開を試みたそうです。当初は、土日の二日間の公開予定を考えたそうですが、副校長が、「平日の授業を見てもらわなければ学校公開とは言えないだろう」と、9日間の公開に踏み切ったそうです。



校舎にふんどしを巻く。『回帰』
さて、今回の企画で特筆できることは、学校公開をアートプロジェクトを通して行うということでしょう。
今日、多くの学校は、2001年の大阪教育大附属池田小学校の児童殺傷事件以来、門を固く閉ざし、「人を信じるな」と無言で私たちに教えています。その学校を地域に開く、そこには大きな決断が必要です。まして、鎌倉附属小は、地域の学校ではないのですから、地域に開放しなくても全く問題ありません。そこをあえて開放する意味はなんでしょう。
学校を開く - その意味するところは、社会の評価に曝されるということなのではないかと思うのです。即ち、附属小学校の教育を広く世間に問うて行こうという姿勢だと理解できます。開くことは常に自分たちの立ち位置を、外部評価によって確認し続ける行為になるのでしょう。
評価に曝される。- たとえば、美術教育はどうでしょう。

「冬の花」の一番奥に夏みかんが浮いている。なんか、かっこいい空間でした。

前掲の『冬の花』より。『トトロ』に出てくるような藪に入る小道が、銀杏の落ち葉で飾られている。
近年、アートプロジェクトが、美術と地域の関わりを提案し、新たな人々のコミュニケーションを生み出そうとしていうような気がします。附属鎌倉小も地域とのコミュニケーションをアートプロジェクトに試みています。

「風のかたち」それで委員会

「黙」3年2組

「成長樹」6年

体育館に並べられた5年生の船たち「鎌倉船工房」プロジェクターとスピーカーでの演出により、大海原を突き進んでいる巨大船団のよう。

障子の隙間から入った太陽の光が、シュレッダーで作った石庭に美しい影を落とす。そこまで計算されてこだわりを持って、クラス全員の意見を取り入れながら制作したそうだ。
「鎌倉銀閣」6年1組
子どもたちの作品群は、越後妻有にヒントを得たものが多いのですが、しかし、それは自分たちで追体験してみることで、大規模なアートプロジェクトで何が起きているのかということを、体で感じる取り組みになっているのではないでしょうか。即ち、美術理解であり、文化理解だと思います。まして、経験の少ない子どもたちに、大人が本気で取り組んでいるアートプロジェクトは魅力に感じるのでしょう。
この「鎌倉銀閣」には、完成するまで1ヶ月を要したそうです。そして、驚くことに、図工の先生が全く関わってないのです。全部子どもたちでやり遂げたそうです。
いつものごとく、子どもたちにインタビューをしました。
そこでは、この取り組みが大きな自信につながったこと。想像以上によいものが出来たということ。感じ方は皆違うということを感じてほしいということ。この取り組みはすごく勉強になったときっぱりと言い切ったこと。などが印象に残っています。

この、新しいかたちの学校開放は、来年度はもっと地域と関連を深め進化する予定だそうです。
神話にある天の岩戸がアメノウズメによって開かれたように、そして、再び陽光を受けて木々の成長が進むように、子どもたちが、地域社会によって育てられ成長していく姿を、美術を通して見ることができるのではないでしょうか。この様な取り組みが日常生活に必要な気がします。
去る、12月5日(土)横浜国立大学附属鎌倉小学校に『鎌倉なんとかナーレ』を見に行きました。
附属小学校は、鶴岡八幡宮に接している、ということは鎌倉近代美術館とも接している一当地。ところが、ここにこの附属小の課題がありました。

この企画を中心になって動かしてきた高松先生によると、もともと、国立大附属小学校ということで、地域との交流が全くなかったそうです。「ああ、鎌倉小ねぇ〜」と地域の人にも言われてしまうように、地域の人にとっても、まるで「飛び地」のような感覚があるのだそうです。
そこで、今回、アートを通して地域の方にも附属小を知ってもらおうと、アートプロジェクトで学校公開を試みたそうです。当初は、土日の二日間の公開予定を考えたそうですが、副校長が、「平日の授業を見てもらわなければ学校公開とは言えないだろう」と、9日間の公開に踏み切ったそうです。



さて、今回の企画で特筆できることは、学校公開をアートプロジェクトを通して行うということでしょう。
今日、多くの学校は、2001年の大阪教育大附属池田小学校の児童殺傷事件以来、門を固く閉ざし、「人を信じるな」と無言で私たちに教えています。その学校を地域に開く、そこには大きな決断が必要です。まして、鎌倉附属小は、地域の学校ではないのですから、地域に開放しなくても全く問題ありません。そこをあえて開放する意味はなんでしょう。
学校を開く - その意味するところは、社会の評価に曝されるということなのではないかと思うのです。即ち、附属小学校の教育を広く世間に問うて行こうという姿勢だと理解できます。開くことは常に自分たちの立ち位置を、外部評価によって確認し続ける行為になるのでしょう。
評価に曝される。- たとえば、美術教育はどうでしょう。


近年、アートプロジェクトが、美術と地域の関わりを提案し、新たな人々のコミュニケーションを生み出そうとしていうような気がします。附属鎌倉小も地域とのコミュニケーションをアートプロジェクトに試みています。







子どもたちの作品群は、越後妻有にヒントを得たものが多いのですが、しかし、それは自分たちで追体験してみることで、大規模なアートプロジェクトで何が起きているのかということを、体で感じる取り組みになっているのではないでしょうか。即ち、美術理解であり、文化理解だと思います。まして、経験の少ない子どもたちに、大人が本気で取り組んでいるアートプロジェクトは魅力に感じるのでしょう。
この「鎌倉銀閣」には、完成するまで1ヶ月を要したそうです。そして、驚くことに、図工の先生が全く関わってないのです。全部子どもたちでやり遂げたそうです。
いつものごとく、子どもたちにインタビューをしました。
そこでは、この取り組みが大きな自信につながったこと。想像以上によいものが出来たということ。感じ方は皆違うということを感じてほしいということ。この取り組みはすごく勉強になったときっぱりと言い切ったこと。などが印象に残っています。

この、新しいかたちの学校開放は、来年度はもっと地域と関連を深め進化する予定だそうです。
神話にある天の岩戸がアメノウズメによって開かれたように、そして、再び陽光を受けて木々の成長が進むように、子どもたちが、地域社会によって育てられ成長していく姿を、美術を通して見ることができるのではないでしょうか。この様な取り組みが日常生活に必要な気がします。
by tabimusa
| 2009-12-13 02:23
| アートプロジェクト
|
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