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小平二中日本画画材ワークショップ

日画M1年の伊藤です。
小平二中で、日本画画材を中心に膠を使ったワークショップを行いました。

急遽募集したにもかかわらず、集まってくれた学生のメンバーで、
ドキドキ準備をしながら生徒さんたちが来るのを待っていると・・・

放課後、授業が終わった子たちからぽつぽつと美術室へ来てくれました。
そして、最終的には予想以上の生徒さんが参加してくれました!
小平二中日本画画材ワークショップ_a0121352_2273287.jpg
今回のワークショップは、油、水彩、日本画など、様々な絵の具の成り立ちを知り、
その中でも膠を使った絵の具を自分たちで作ってみるという物でした。

続きはMoreから



最初に、絵の具のもとになる色の粉(顔料など)に混ぜる、
絵の具になる為のノリの役割をするもの(媒材)が変わる事で、
日本画絵の具、油絵の具、水彩絵の具が別れる事を説明しました。

そして今回、まずは膠(にかわ)を使って水干絵の具と岩絵の具を作って描いてみます。
小平二中日本画画材ワークショップ_a0121352_2551810.jpg
男の子たちは、早速ダイナミックに手形をとりました。
小平二中日本画画材ワークショップ_a0121352_3113226.jpg
たらし込みにも挑戦。(みずや絵の具が乾いてない上から絵の具を染込ませる技法)
水干絵の具は、土由来で泥絵の具とも呼ばれ、伸びが良いですが、
普段と違う絵の具に扱いづらさを感じている場面もありました。


次に、膠の接着力を利用し、身の回りの物も絵の具にしてみました。
用意した絵の具になりそうな物は、校庭の土、木屑、卵の殻、砂浜の砂です。
小平二中日本画画材ワークショップ_a0121352_333760.jpg
これは卵の殻を砕いた物です。
小平二中日本画画材ワークショップ_a0121352_37229.jpg
丁寧にサンプルのように示した生徒も。乾いた時、きちんと定着していました。




あっという間に瓶一杯だった膠がこんなに少なくなり、ワークショップも終了。
小平二中日本画画材ワークショップ_a0121352_3151931.jpg



生徒さんたちは終始元気いっぱいで、こちらが絵の具や道具を渡したり新しい技法を伝えるたびに、敏感に反応して活動し、学生の方が先に疲れてしまいました。
あっという間に2時間が過ぎ、開始時にあった飽きられてしまったらどうしよう、
という気持ちはただの杞憂でした。
若い力に圧倒されたワークショップ終了後に書いてもらった感想からは、
「絵の具を作る時は子供の頃に戻ったみたいでした。」
「最初はやだなと思ったけど、やってみて面白かった。」
「水分量で絵の風合いが出て面白かったです。」
「扱いづらいけど、描き味は普段使う絵の具よりいいです。」
など、中には鋭い目線で書かれた感想や、更には私たち学生を立てるような感謝の文もあり、大人びた面も兼ねそろえていて驚きました。



以下、学生の感想

まさか美術部員以外の子たちにも集まってもらえるとは思わず、今回の集まり具合に驚きました。
山田先生は、旅ムサの打ち合わせ当初から「多くの生徒が今後中学校を卒業したら美術と関わる機会がほとんどなくなるから、旅ムサのような体験は生徒たちにとって貴重」と話されていました。ワークショップを初めて行った私としては、ワークショップ自体が何の為に行うものなのかよく分からず、授業とは違う、どのような目標を持ってばいいか悩みました。しかし、山田先生の言葉からすると、今回は膠を使った素材体験が出来たこと事態が、意味のあることだったのかもしれないと思えました。
と思いながらも、生徒たちを見ていると、私たちが教えた事から様々な解釈をし、自身で実験する姿がたくさん見られました。こういった工夫する姿勢は、今後美術以外でも発揮出来ると思うので、美術を体験する事はなくても、美術で学んだ事は生かされて行って欲しいと思いました。
今回は、場所と時間と画材を頂き、ワークショップをさせて頂けた事に感謝しています。(伊藤)

思っていたよりも、生徒たちの反応が良かったのが印象的でした。自分から指で描いてみたり、手形をつけてみたり、岩絵具を垂らして混色してみたりと、積極的に工夫して取り組んでいました。
また、美術部員以外の、運動部の生徒や、普段おとなしいような生徒など、いろいろなタイプの生徒たちに参加してもらうことができたことも、良かった点かなと思います。
普段使わない、岩絵具や膠などの画材に実際に触れ、いつも使っているようなチューブの絵の具とはまた違った素材を体験して、日本画に興味を持ったり、また機会があったらやってみたいと、感想を書いてくれた生徒もいました。このワークショップが少しでも実体験として、生徒たちの糧になってくれると嬉しいです。(日画3年神山)

私の「教える説明」では興味を持ってもらえなかったことが、先生の「体験させての説明」では上手く伝わっていたことに感服致しました。(助っ人日画3年峯)

まだ、追記する予定です。
by tabimusa | 2012-02-11 04:29 | 旅ムサ2012 | Comments(0)


旅するムサビプロジェクト(通称:旅ムサ)は、武蔵野美術大学の学生が全国各地の小中学校を訪れ授業を実施する取り組みです。


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